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和妻「蝶のたわむれ」の貴重動画 (藤山新太郎師)



伝統的な日本奇術「手妻」を継承する数少ないマジシャンの一人

藤山新太郎
師演じる「蝶のたわむれ(胡蝶の舞)」が見られる貴重な映像がYoutubeにアップされていました。

紙から蝶を作るところから始まり、その紙の蝶を2つの扇子を巧みに使い、本物の蝶のように操っていきます。
途中さらにもう1匹加わり、2匹の蝶を操ります!
最後は?! 本当に不思議な演芸です。

またこちらでは、上口龍生師による胡蝶の舞サムタイの動画が公開されています。

和妻 | comments(0) | trackbacks(0) |
「大江戸奇術考 手妻・からくり・見立ての世界」を読んで
日本の素晴らしき伝統芸能の中で、おそらく太神楽以上
に大衆から忘れられてしまった和妻(手妻)。
※和妻(わずま)=日本独自の奇術・手品

私が和妻の演目を始めて見たのが、もう10年以上前、
欣也のテレビ「フランス座」での藤山新太郎師の和妻でした。

その番組の中で特に印象深かったのが、「五色の水」。
5つの器に取り分けた赤・青・緑・黄・黒の5色の水を水の入った水槽に次々と注いで行き、真っ黒になった水槽から今度は逆に、観客が告げた色の水を水槽からすくい出すという演目である。

単純に物理学の法則を当てはまるとありえない事象であり、当時大変驚いたのを覚えている。

その「五色の水」のしくみが”大江戸奇術考 手妻・からくり・見立ての世界”に書かれていた。

さて、この書籍、期待以上の内容!
トリックもしっかり書いてあり、
著者の奇術に対する専門性の高さが伝わってくる書籍です。

前半は、卑弥呼、安部清明などの歴史上の逸話と、
奇術の関係について書かれていて、単純に読物としても楽しめる。

その後、散楽雑伎・田楽法師・放下僧の話が書かれていて、
そこには手品と曲芸のルーツが見て取れる。
※備忘録:曲独楽の松井源水、品玉の芥子之助(けしのすけ)

後半は、古い文献に見られる手妻の演目とそのしかけ・原理について紹介がされている。現在の手品・マジックと原理は同じものも多いようである。

後半で印象的だったのが「金輪の曲」。(現代の手品で言うところのリンキングリング)現代でもよく目にする手品が、ほぼ同じ仕組みで古くから演じられていたことには驚いた。また、多くの輪を使い、人力車、風鈴、灯籠などの形を見立てるあたりも面白く、この見立ては西洋のリンキングリングには見られないというのも面白い。

「金輪の曲」は以前、浅草演芸ホールで北見マキ師が演じるのを見たことがあったが、実に面白かった。

ふと思い出したので、北見マキ師のサイトを探してみたら、
いろいろと和妻や品玉のことが書かれていて興味深かった。
ちなみに一番面白かったのが「HOW TO MAGIC」というコンテンツ。
舞台で演じるときの心構えが書かれている。貴重!!
http://www.kitamimaki.com/column/index.html

<目次>
はじめに
第1章 奇術前史
卑弥呼のマジック/修験道の法術/陰陽道の方術/安部清明のマジック
第2章 放下と幻術
散楽雑伎の渡来/田楽法師と放下層/果心居士の幻術/種瓜植樹/馬腹術/塩屋長次郎の馬呑術/消えていった幻術
第3章 はじめての奇術書「神仙戯術」
中国渡来の翻訳書/「神仙戯術」にある奇術
第4章 趣味人の座敷手品
初期の奇術書/カード奇術の文献/江戸の科学手品/当てもの(メンタルマジック)/トランプの渡来/コイン奇術とロープ奇術/可愛いトリック
第5章 プロの舞台奇術
プロの技を取り上げた奇術書/江戸の脱出奇術(エスケープマジック)/水芸のはじめ/曲独楽の秘密
第6章 江戸の手練奇術(スライハンドマジック)
手練技を記した本/小豆割り/お椀と玉/リングの奇術/面白い原理のコイン奇術/「ヒョコ」という奇術
第7章 からくりと時計
竹田からくり/からくりの書/からくりの数々/水銀や砂の動力と時計仕掛け
第8章 江戸の怪奇趣味
化学製造法/幻灯機の術/手が込んでいった怪奇趣味
第9章 歌舞伎のからくり
歌舞伎のケレン/人形浄瑠璃の影響/からくりの種明かし本/大道具のスペクタクル/世界一速い早変わり/小道具のトリック/歌舞伎の新しいからくり
第10章 奇術と料理
珍本「料理こんだて手品伝授」/手品と料理の関係/驚異の黄身返し/再度の挑戦/現代の黄身返し
第11章 伝承の奇術
南京玉すだれ/玉すだれの起源は不明/南京玉すだれの構造/滝の白糸/太夫の芸の流れ/和妻は身体の動きが大切/手妻と見立て/手妻の衰退
第12章 世界と交流時代へ
外国人が驚嘆した胡蝶の舞/いざパリ万博へ/寄席から大舞台へ
あとがき−緒方奇術文庫について

大江戸奇術考
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